■スペイン風邪流行時の英国での対応 1918英国ホメオパシージャーナルより
■ホメオパシーは・・:脳腫瘍の新治療
■米国の代替医療支出でホメオパシーが1割に。
■新型インフルエンザ(豚インフル)への対応について
■ドイツ第2回小児ホメオパシーコングレスで由井会長の発表が決定
■国連・子どもの権利に関する委員会代替医療を受ける権利を 政府が妨害することの禁止を勧告(ICH報告)
■HMA認定試験2009年6月
■2009年春ホメオパス認定試験開催
■投票!スイス国民はホメオパシ-にYES!
■第10回学術大会お知らせ
■新型インフルエンザ(豚インフル)への対応について
■ICH第2回総会
■由井会長欧州レポート
■ICH第3回総会 国際ホメオパシーコンファレンス日本開催決定
■ロビン・マーフィー氏 再来日講演
■JPHMA更新 認定書授与セレモニーの様子
■第10回学術大会一般公開で開催のお知らせ
■WHAW「ホメオパシーでアレルギーを考える会」開催
■認定ホメオパス強化学習12/20〜の様子
■2010年WHAWのテーマ決定!
■学術誌に由井会長の発表が紹介されました。
HMA認定試験2008年度秋
■日本ホメオパシーセンターセントマーガレット記念講演会
■ソーセージなどシアン化合物汚染に関する健康被害について
■JPHMAホメオパス認定試験開催。2008年度秋
■世界のホメオパシー最新情報
■「日本でのホメオパシーの歴史」が世界最大のホメオパシーポータルサイトに紹介。
■八千代市セントマーガレット病院で由井会長 特別講演。
■アクションホメオパシー 署名のお願いについて
■認定ホメオパス強化学習8月17日(日)の様子
■癒しフェア2008 in Tokyo講演終了
■岩手地震/緊急対応のお知らせ 
■JPHMA設立10周年記念第9回年次学術大会のお知らせ
■WHAW「体の動かし方とホメオパシー」開催
■第2回ホメオパシー医学国際シンポジウム開催
■ホメオパシー災害対策セミナー開催
■由井会長講演新社会システム総合研究所セミナー
■第14回日本未病システム学会学術大会
■由井会長:
ICH総会
ECCH会長より
■由井学長:
Dubai国際学会
●研究発表

●授賞式
●最終日
●総集編
■デビッド・ニードルマン講義
■ホメオパシー医学 国際シンポジウム DVD上映会
■ルディー・バースパー 夫妻講義
■第一回 ホメオパシー医学 国際シンポジウム 開催報告
■統合医療展2007 出展報告
■第47回
日本人間ドック学会第1回 国際人間ドック会議
■世界ホメオパシー認識週間2006
■スピリチュアルコンベンション福岡出展

■ハーネマン生誕250周年記念関連イベント
■アースデイ東京2005 出展
■名古屋スピリチュアルコンベンション出展
■ハーネマン 250年記念講演会
この災害で気づいたこと
日本語版監修者まえがきにかえて

福島での原発事故があってから、私のクライアントである福島在住の梨園農家の方に、ホメオパシーを使って、放射能で汚染された土壌改良と共に農薬を使わずに梨の栽培をやってみませんかと提案しました。ご本人もやる気になっていましたが、最終的にやっぱりできないと言います。理由は、「虫がわいたり、病気になって周りの農家のみんなに迷惑がかかるから」ということでした。これを聞いて、予防接種と同じだなと思いました。 予防接種をしない人は、人にうつして迷惑をかけるとみんなから責められます。しかし、感染しないようにと予防接種をするわけですから、本当は責められる筋合いはないのです。95%の人が予防接種するとその感染症の流行を阻止することができるとまことしやかに言われていますが、調べてみるとまったく根拠のないものであることがわかります。これは誰かが意図的に、全員が予防接種をしなければならないような雰囲気を作り出そうとしているためです。それに感染し発症するかどうかは、その人の免疫力次第です。だからその責任は自分にあるはずなのに、自分以外に原因を求め、病原体や人のせいにし、自分の生き方、考え方を改めようとしなかったために、私たちの免疫力はどんどん弱くなってしまいました。

無農薬リンゴで有名になった木村さんは、野生の果物が農薬を使わなくても虫や病気にも負けず実を付けているという事実を見て、「害虫も病気も悪くない」「原因は土であり、リンゴの木の生命力が弱っていることが根本原因」ということに気づきました。

リンゴは昔からありましたけど、昔は農薬なんてなかったですよね?でもきちんとリンゴが実っていましたよね? だけど今の農家の人は、農薬を使わないで農業なんかできるわけがないって異口同音に言うわけです。無農薬リンゴを実際に作っても、農薬信仰は変わりません。そしてやっぱり農薬を使わない人は他の農家に迷惑をかける人となって疎外されてしまいます。

昔より害虫や病原体が強力になってしまったのでしょうか? そんなことはないですよね? 植物の生命力が弱ってしまったから、虫や病原体に負けてしまうようになってしまったわけです。そして植物の生命力が弱ってしまったのは、土が弱ってしまったからです。土はいろいろな微生物や昆虫、ミミズやカブトムシの幼虫などがいて元気で健康な土になります。

それなのに、手っ取り早く窒素、リン酸、カリの人工的な肥料を与えて簡単に収穫量を増やそうとしました。その結果、土の微生物バランスが崩れ、結果的に不健康な土となって病原体の多い病んだ土になってしまいました。一方、植物は化学肥料を与えられ、自力で栄養を吸収しようとする力が弱くなり、依存的になってしまったと思います。こうして不健康な土と植物の生命力の低下によって、虫や病原体に簡単に負けてしまうようになってしまったと思います。そこで農薬が必要になり、農薬を使うからますます土の微生物バランスは崩れ、虫たちもミミズもカブトムシの幼虫もいなくなり、生き物がいない死んだ土になってしまいました。それによってますます化学肥料を必要とし、植物の生命力も弱くなり、そしてますます農薬を必要とするという悪循環になってしまい、もはや肥料や農薬なしには農業できない土や木になってしまったわけです。

人間もまったく同じです。予防接種でゴミを体に入れられ、生命力が弱り、病原体に感染しやすくなり、病気しやすくなります。そしてゴミを排泄しようとして出る症状を薬で抑圧するから異物を排出できずますますゴミだらけになってますます生命力が弱るという悪循環に陥っていて、病原体に感染しやすくなったり、アレルギーやアトピー、自己免疫疾患などが増えているのです。

病原体は本当は体を浄化しようとしてくれているのに、自分の中にある原因を見ようとせず、外にばかり目を向けて、あれが悪いこれが悪いといって外の敵をやっつける産業が発展しました。殺虫剤、農薬、抗生物質、抗ウイルス薬、抗菌剤……。外にあると思っている原因は本当は自分の中にある原因を鏡のように映しているだけなのに、それがわからず、外の原因を何とかしようとし、外の原因を増長させるようなことを許さないという風潮ができました。

また、人に迷惑をかけてはいけないという日本的な価値観を利用し、掟に従わない者を村八分にするというやり方で集団的に日本の農業を変え、日本の医学を変えていった人たちがいます。化学肥料や農薬に依存させ、薬やワクチンに依存させ、害虫や病原体を悪とし、農薬を使わない人や予防接種をしない人は人に迷惑をかける自分勝手な人であるという意識を植え付けていったわけです。

したがって今の農業、医学を変えるためには、私たち一人一人が外に責任を求めることをやめて、自分に力を取り戻していくしかありません。自分に力を取り戻すということは、自分本来の命を取り戻すということです。そのためには自分の中にある原因を見つめていくしかありません。

電力源を危険な原子力に頼らず安全なものに変えていくために必要なこともこれと同じです。誰が便利な世の中を求めたのかということです。誰が自己中心的に生き、自然と調和して生きることをしなかったのかということです。症状を嫌い、原因を外に求め、すぐに楽になる薬を求め、自分自身を見ることをしなかったのは私たち自身です。虫の食っていない形のよい野菜を求めたのは私たち自身です。便利で楽な生活を求めたのは私たち自身です。つまり自分自身の心が今の世の中を作ってきたわけです。ですから、自分自身が変わらなければ外側も何も変わらないのです。

不平不満を言う前に、いまの自分たちの生活を見直すことです。電気がたくさんあって私たちの心は豊かになったでしょうか?

インターネットが普及して私たちの心は幸せになったでしょうか? 昔は貧しくても不便でも、もっと幸せでした。別に不便さの中に不幸があるわけじゃありません。

いま、東北の方々は大変ですが、このような状況を人のせいや何かのせいにするのではなく、自分自身の生き方、考え方を見直すきっかけとして、このような状況でも幸せはあるんだということに気づいてほしいと思います。そして、それを証明してもらいたいと思っています。家も畑も何もかも失ってしまうという極限的な状況だからこそ、思い切って余計なものをすべて捨てられる覚悟ができるのではないでしょうか?  

これは試練ですが、人間が変わる大きなチャンスでもあると思うのです。人間という生き物は切実さを伴わない限り、何も変えようとはしません。原発もここまでの大事故になったから国民の多くが目覚め、このままではいけないと気づいたのです。皮肉なことですが、もしここまでの大事故にならなかったら、私たちは目覚めることができなかったと思うのです。日本中の原発の核廃棄物は青森県の六ヶ所村に集められていますが、もう限界になっています。核燃料は一度使ったらずっと発熱し続けるので、ずっと冷やして管理し続けなければなりません。地震でその施設が崩壊したり、電気が止まったら地球が終わってしまいます。こんな危険なものをこれ以上作り出してはいけないのです。ここまで危機的になっても気づかないのであれば、人の健康にも土壌にも未来はありません。

自身自身の考え方を変えていくためには、己を知らなければならず、己を知るためには自分自身を見なければなりません。世の中を見て不平不満を言うのではなく、世の中に自分自身を見いだし、自分自身を変える力とし、嫌な出来事、悲しい出来事、腹立たしい出来事を愛と感謝に変えていくことです。それが世の中を真に変えていく力となるのです。

「病原体は悪くない、症状はありがたい」ということに気づいて、自分自身を自然体に戻していくことを選択するときなのです。原発はもういらないし、農薬もいらないし、薬もあまりいらない。そういう方向に行けるよう手助けすることがホメオパシーにはできます。そして人に少しくらい迷惑をかけてもいい。自分を責めないこと。持ちつ持たれつの世の中なのですから、迷惑をかけてしまった自分を許してあげること。異端な者、皆に従わない者を村八分にするような習慣をやめること。自分自身が狭い価値観にとらわれていることに気づいてそれを解放していくこと。もっと自由に、もっと自分らしく生き生きと生きられる世の中になることを願っています。 今回の震災で何が問題かといいますと、被災地にあった原子力発電所です。日本は54 基もの原発がある世界で3番目に原発の多い国なのです。原発に代わり、波や風や水や太陽光を使った安全な自然のエネルギーで発電していく必要があります。昨日よりは今日、今日よりは明日、と私たちは、賢くなっていかねばなりません。一人一人が外の東京電力や日本政府を責めるのではなく、内の自分自身を見つめ自分にいま何ができるか考え、電気を大量に使わない生活の努力をしましょう。そして、より安全な電気作りを国民を上げて電力会社にお願いにまいりましょう。すべての原因は内にあり、外にはないのですから。 本書では低線量放射能の危険性について書かれています。強い放射能に被ばくするよりも少ない線量を浴びた場合の方が危険であるというのは驚くことですが、強い刺激を受けると自己免疫が働きやすく、弱い刺激に対しては自己免疫が働きにくいということはあり得ますので、放射線や放射性物質に対しても同様のことがあるのかもしれません。

たとえば高温になっているものに触れると本能的に即座に離してやけどを回避しようとしますが、44℃でも6時間接触していると低温やけどを起こしますし、46℃だと1時間で低温やけどを起こします。そして低温やけどは、低い温度でゆっくり進行するために熱さや痛みを感じにくく、気がついたときには、皮膚の深部まで達する重症のやけどになっているケースが多く見られます。このような低温やけどに見られるのと同様のことが放射線でも起こり得るのかなと思うわけです。

もちろん、放射線を感じることのできる人はいませんが、身体レベルではきちんと識別できており、大量の放射線を浴びたときは自己修復機能が活性化されるけれども、少量の放射線を浴びたときは自己修復機能が働かず、その状態が長時間続くことで気がつくと重症化するということがあるのかもしれないと思うのです。

しかしこれは体の放射線の害を認識する力が弱いこと、つまり免疫力が弱いことが根本原因だと思いますので、自己免疫力が強ければ恐るるに足りません。そういう意味で日頃から食生活をきちんとし排泄をしっかり行い、ホメオパシーで免疫力を高めると同時に、放射線の害に有効なレメディーを事前にとり、放射線を浴びたときにはすぐに放射線の害に有効なレメディーで対処することを行っていれば恐るるに足りません。

事前に放射線のレメディーをとることで、体の放射線に対する認識力が増し、実際に放射線を浴びたときに敏感に対応できるようになることが期待できます。すなわち本書で述べられている通り、放射線の害に対するホメオパシー的予防が可能であると考えます。また被ばく後に放射線のレメディーをとることで放射線の害の認識を新たにし、治癒力が向上することが期待できます。実際に紫外線、エックス線、治療用放射線、その他の電磁波の害に対してそれぞれの周波数帯の電磁波から作られたレメディーが有効であることが知られています。

一方で低線量放射線は、ホルンミスト効果(生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用:ホメオパシーとの関連で説明されることも多い)として知られているように、微量な放射線は健康になると主張する人も多くいます。微量の毒が自己治癒力を触発するのと同じと言えるかもしれません。私も少しくらいの放射線は浴びた方がよいし、少しくらいの放射性物質はとった方がむしろ健康になってよいのではないかと思っています。

しかし微量の毒が免疫が著しく低い人に対してマイナスに働くことがあるように、免疫が低い人に対しては低い線量の放射線が有害に作用する危険性があることを考慮する必要があります。だからこそ放射線のレメディーが必要であり、ホメオパシーが必要であり、放射能と向き合い乗り越えていく必要があると思うのです。

放射能は目には見えないものだけに恐れる気持ちはよくわかります。しかし、自然界にも放射性カリウムは存在して日常的に体に入っていることを考えるとわかるように、過度に恐れる必要はないということ。今回の原発事故はある意味、放射能に対して人々がどう考えるのかを突きつけているように思います。放射能をただひたすら恐れるのであれば、それはむやみに病原体を恐れるのと一緒だと思うのです。病原体は自分たちの不自然な生命から作られた私たち自身の姿であると私は考えています。だから病原体は人間を浄化する力があるのです。

この世に偶然はありません。今回の原発事故による放射能漏れも私たちの不自然な命から作り出した私たち自身の姿を映し出しているだけのように思うのです。だから放射性物質こそが今の人間を浄化する力があるように思うのです。もっとも病原体をレメディー化することで病気に感染する原因を浄化し、病気予防が達成されたり、かかっても軽く済ませることができるように、放射線や放射性物質をレメディー化してとることで、放射線や放射性物質による害をはね返せない原因を浄化することができると思うのです。

そのように考えたとき、私たちが放射能に対してどのようにふるまうべきなのかが、理解されるでしょう。すなわちホメオパシー愛好者が病原体を信頼しているように、放射能を信頼することです。その信頼の中で恐怖は手放され自分を真に信頼する力が取り戻されるのです。そしてその自信の中で病原体や放射能に負けない本来の強い免疫力を取り戻すことができるのです。そしてそのときに病原体がその存在意義を失い消滅するように、原発も核兵器も消滅していくと思うのです。

すべては同種療法であることを理解することです。放射能への過度の恐れが今回の事故を引き寄せたとも言えると思うのです。それはかつて原子爆弾を落とされ放射能の恐怖が骨身にしみ込んでいる私たち日本人が、本来の自分の命を取り戻すために求めたことかもしれないのです。恐れは恐れを解放させる可能性と恐れを強化させる可能性の2つの可能性があります。ホメオパシーの知恵がある者は、放射能を己の恐怖心を解放させる力とすることができます。そういう意味で今回の原発事故を私たち日本人が放射能への恐れを手放すための試練としてこれを乗り越えていくことが大事なのです。

同時に今回の原発事故は私たち日本人が敗戦と共に失ってしまった民族の誇りと愛国心を取り戻す大きなチャンスでもあるのです。そのためにはウラニウムのレメディーとプルトニウムのレメディーが必要でありホメオパシーが必要なのです。かつて私が『心と体を癒すホメオパシー』の中で書いたように、人類に最大の不幸をもたらしたものが人類に最大の幸福をもたらすものになる秘密が、ホメオパシーにはあるのです。そして真の意味での日本復興は、忍耐強くこの放射能の危機を乗り越えるに違いない東北から始まると思っているのです。そのために私もできる限りの応援をしてまいります。


平成23 年4 月
日本ホメオパシー医学協会
会長 由井寅子