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「環境農業新聞」2012年2月15日(火)第124号に、由井会長が代表を務める日本豊受自然農株式会社の活動が特集として掲載される

環境農業新聞第124号1

環境農業新聞第124号2

環境農業新聞第124号3

環境農業新聞第124号2
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函南、洞爺で「自然農」を展開
自然農業を展開する農業生産法人日本豊受自然農株式会社
豊受は五穀の主宰神
農薬等を使わない農業を実践

昨年11月に設立した農業生産法人日本豊受自然農梶@R井寅子代表・静岡県田方郡函南町、電話055(970)2202=は、静岡県函南町と北海道洞爺で自然農を展開している。「無農薬・無化学肥料農業を普及させることが日本を救う」という由井寅子代表に農業生産法人を設立したキッカケや今後の活動等について伺ってみた。(関連記事4面に)

―農業生産法人日本豊受自然農の名前についてですがー。
 由井代表 豊受(とようけ)という名を付けた意味ですが、豊受大神は、伊勢神宮の御饌(ミケ)の神として伊勢神宮外宮(豊受大神宮)に祀られる穀物女神であります。御饌とは天照大神の食べる食物のことで、この神は本来それを調達する役目を果たす神でした。そこから発展して五穀の主宰神となり、稲荷神と並ぶもっとも代表的な農業神となったのです。

―生活を支える、衣食住の最高神とも言われていますね。
 由井代表 私たちが自然農を展開していく上でこの豊受という名を使わして頂いたということです。

―登記は
 由井代表 静岡県函南町で支社を洞爺に置いております。

―それまでもっていくのに大変な苦労があったと思います。
由井代表 地元の役場やJAの方々が私たちを受け入れてくれました。8年前に群馬で12反の土地を購入して農業をやろうとしたのですが、1名の反対があってダメになり、北海道の洞爺に土地を求める結果となったわけです。静岡県函南町では5年前から農業を始めたのですが、わずか1反5畝から地道にコツコツとやっていきました。周囲の農民の方々が毎日、散歩しながら見ていたようです。石の上にも3年です。2年前に「農民にしてあげるよ」と言って頂きました。無農薬で行いますので、農協さんの売上に寄与出来ませんので、機械や籠などは農協さんから買わせて頂き、売上も農協預金に入れますからとお願いした次第です。今では30反になっています。

―北海道洞爺ではハーブを栽培しているとのことですが。
由井代表 ゴルフ場予定のために木を切り取られてそのまま放置されていた11万坪を手に入れることができたのです。しかし、原野で斜面の土地で水がなかったのです。その土地を歩き回り探したところ、きれいな湧水が出ていたのです。社員5名が12月の雪の降る中、突貫工事でパイプを2週間で貫通させました。湧水を非加熱のままでは飲料水として販売できませんので、会員に寄付という形ならと許可を得て提供させていただいています。ミネラルが豊富に含まれていて甘くてほんとうにおいしい水なんですよ。始めて一年くらいしてから、北海道の議員の方々24名が「自然農の活動を「変なことをやっているのでは」と心配されていたようで現地まで見に来られました。環境によい農業の方法について説明して納得して頂きました。残念ながら、1名の方は自然農についてご理解いただけなかったようでしたが、23名の議員の方々は認めてくれました。今では道をよくしていただき、また除雪車を出してくれたり、町から支援していただいています。 海外では農家は徐々に「自然農」に切り替わってきているのですが、日本ではまだまだ難しいです。また30年前くらいの日本は、自給率70%あったのに、今となっては、27%しかなくなってしまい、日本の政治家はヨーロッパや米国のようにもっと農業を保護してあげるべきだと思います。

―由井代表さんの実家は愛媛でみかん農家でしたね。
由井代表 そうですが、父親が早く亡くなったため、母親は一人で頑張ってきりもりしていましたが、夫がいない母は美味しいミカンは3等にされ、牛はセリで安くされ、とても悔しがって泣いていました。「女が頑張ってもダメなんだ。お前は都会に行きなさい。」と言われ、愛媛を後にしたのです。こういう不公平な農業があってはならいと子どもながらに思っていました。

―農業の重要性を知ったのは何時ごろからですか。
由井代表 私のところにホメオパシー相談に来る患者さんたちのなかで、食が悪い方々はなかなか病気が治癒していきませんでした。患者さんの何人かは元農民でしたので、自分で農薬を使わないで作物を作ってそれを食べなさいと実践してもらったらレメディーをとったあとの反応もよくなり、病気がどんどん良くなっていったのです。これは食原病だと気づきました。いかに農薬が身体に悪いかを知ったわけです。今ではホメオパシーとらのこ会の会員さんたちは食べ物に気を使って食べており、函南での収穫祭には喜んで参加し畑直売の野菜を買って帰ります。

―今後の展開についてですが。
由井代表 北海道は増やして行きたいと考えています。北海道、静岡、九州の3か所あれば色々な作物を回すことができます。日本の農業を救うという気持ち、作物に対する感謝の気持ち、働いてくれる農民と私の「環境と人にやさしい」というポリシーが通じ合わないとよい農作物を作ることはできません。

―自然農は自己治癒力を高めることができるということですね
由井代表 生命活動に不可欠な酵素を活性化させるのは、マグネシウム、カルシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛などの必須ミネラルです。しかし、窒素・リン酸・カリの人工肥料を撒くことで、この大切なミネラルを植物が吸収できなくなってしまうのです。また畑に、農薬を撒いてしまうと、生態系が崩れ土壌が死んでしまいます。土が生命力を失うと発酵ではなく腐敗のサイクルに入り、病原菌などがはびこるようになり、植物も病気にかかりやすくなってしまいます。ですから、生命力にあふれた土作りが一番大切であり、そのためには、カブトムシの幼虫やミミズ、根粒菌や様々な土壌菌がいる豊かな命が息づく土にしていくことが必要となってくるのです。そのために、日本の複合発酵技術とホメオパシー技術を組み合わせて開発した「アクティブ・プラント」という土壌を本来の生命にあふれたものに戻していく液体をまきます。

―自然農では雑草との戦いになると思いますが
由井代表 農薬、除草剤は一切撒きません。雑草だってその土壌を真に健康にするために必要なものが生えてきます。だから、雑草は刈り取り土壌に鋤き込んでいくことが大切です。また、農産物から氣というものが出ており、農産物の氣の強さは土壌の生命力の強さに比例します。そして、太陽が上がらないうちに収穫することで、夜に宇宙から降り注いでいるエネルギーが、夜は凝縮された形で降り注いでいますが、太陽が昇ると膨張したようになり、氣も散ってしまいます。ですから、朝太陽が昇る前に、収穫をしていますので、気が一杯詰まった作物の氣を得ることができるのです。野菜は朝採りをすることが重要なのです。氣が高い野菜は大変長持ちしますし、氣の高い野菜は気を吸収する免疫の臓器“脾臓”の栄養となります。

―味噌と乾燥野菜の味噌汁をパッケージとして提供しているようですが
由井代表 汗水垂らして作った作物を大切にしなくてはなりません。ヘタまで食べるんだよと教えています。味噌と7種類の乾燥野菜にお湯を注ぐと味噌汁になりますが、被災地で大変喜ばれました。海外に持って行って飲ませますと「これはなんだ」と喜ばれます。 私は種を一人一人に持たせたいと考えています。インドなどは国民に原種の種を持たせています。今後F1でない原種の種は重要な役目となるでしょう。国がやらなければ私たちが、ハーブや野菜などの種を配って行こうと考えています。土と種があれば自給自足ができます。また、2年のうちに自然に生きる事を基本にした豊受ビレッジを作って行きたいと考えています。

―大変お忙しい中、ありがとうございました。

  

TPP加盟 国民が半病人に
農業生産法人日本豊受自然農 由井寅子さんが指摘

農業生産法人日本豊受自然農鰍フ由井寅子代表は現在、大きな問題になっているTPP加盟について懸念される影響を次のように挙げている。

▽日本独自の輸入規制が崩壊
  ・危険な遺伝子組み換え食品が大量に入ってくる。
・残留農薬の規制が緩和され、農薬漬けの食品が食卓へ。
・食品添加物の規制緩和。
・規制緩和により牛海綿状脳症(BSE)など病気を持った牛肉が食卓にあがる可能性。

▽日本人の健康を守る独自の安全基準が崩壊。

▽営利企業に都合のよい基準が採用される。
・遺伝子組み換え食品の表示義務が撤廃される→知能の低下、腎臓障害、子どもを産めない体になる可能性。
・輸入促進を進めるために、食品添加物の表示義務が緩和→食事が原因の病気が増加。国民が半病人になる可能性。

▽日本経済の衰退
・安い輸入製品に押され、大幅な賃金引き下げ、リストラが家庭を直撃→価格競争に負けた日本企業は倒産→失業者の増大
・公共事業入札の自由化→海外企業の参入拡大→地元の建築業者に仕事が回らない、中小企業者に打撃。
・低賃金で雇える外国人労働者の大量流入→日本人の労働条件がさらに悪化。
・国家資格の相互承認で質の低い弁護士などが流入。

▽農家、農業関連で就業している340万人が失業。仕事がなくなった農村の過疎化が進行。
・食料自給率(カロリーベース)40%→13%に減少。本当の食料自給率といってもいい穀物自給率は28%から10%以下にまで下がると予想。
・空いた農地が外国企業に買い占められる。
・空いた農地に外国からの移民が流入。

特集
農業生産法人日本豊受自然農鰍フ「自然農法」
野菜収穫ツアー大好評
豊受自然農の恵を堪能

農業生産法人日本豊受自然農梶i由井寅子代表)の北海道洞爺にある農場と静岡県函南町にある農場を紹介する。

北海道洞爺の農場=北海道有珠郡壮瞥町仲洞爺60‐1=では豊かな自然の中で様々なハーブが自然農法で育てられている。自然の力を最大限に生かして育てられたハーブは本来の力強さを持っており、洞爺の厳しい冬があるからこそハーブは生き生きと成長するわけだ。また、農薬や除草剤を一切使用しないため、草取りなどは全て地道に人の手で行っている。だからこそ安心安全なハーブが出来上がるという。そして摘んだ花をふるいにかけカメでアルコールに漬けることで上質なマザーチンクチャーができる。出来上がったマザーチンクチャーは丁寧に一本一本手作業でビンに入れ、商品化している。

静岡県函南町の農場では一年を通じて洞爺と同じく自然農法で数多くの作物が作られている。質の良い作物を作る絶対条件は土作りにかかっている。カブトムシやミミズ昆虫が沢山いるような農地であるからこそ安心・安全なわけだ。

自然農法で育てた【ニューメロン】【マクワウリ】【スイカ】【カボチャ】【オクラ】【キュウリ】【ナス】【シソ】【トマト】【ジャガイモ】【キャベツ】【カリフラワー】【ブロッコリー】【ハクサイ】【リーフレタス】【ミズナ】【ルッコラ】【ダイコン】【ニンジン】【ハーブ】等。

自然農法で育ったシソを贅沢に使い、後味もさっぱりとした特製のシソジュースも作り日本だけでなく海外の方々にもウケテいる。

 

豊受自然農では通常、春と秋に函南農場での花摘み・野菜収穫ツアー。そして夏には、洞爺農場でのハーブの勉強と花摘みツアーを実施。そして、昨年からは、秋の恵みを皆んなで分かち合う収穫祭を開催した。メインのイモ掘り大会は普段の生活で土に触れることが少ないため、みんな新鮮な気持ちで顔を輝かせ一生懸命に掘っていた。その他にも生姜掘りも体験して、畑で育っている野菜を、自分の目で選んで、自分で収穫し、そのまま買える即売会も行った。

そしてこの日に堀ったイモを焼き芋にして、畑の野菜を贅沢に使ったサラダやハーブティーにシソジュースさらに味噌汁にご飯なども豊受自然農の恵みを存分に堪能した。

作物のエネルギーを最大限に引き出しよう自然の声に耳を傾け日々努力し続けている。

函南農場の農業従事者である工藤暢彦さんは
「毎週土日にホメオパシースクール内にあるCHhom(シーエイチホム)ショップなどで野菜の販売をしています。木曜金曜には野菜の収穫と出荷作業をしています。『農作業をしていて一番楽しい時はどんな時ですか?』とさつまいもの収穫祭の時に聞かれましたが種蒔きも楽しいし、定植も楽しいです。種蒔きや定植の準備で畑をきれいにしている時も楽しいし、支柱を立たり、剪定したり中肥をしている時も一本一本観察することができます。草取りをしている時は株元にうずくまってゆっくりと話ができるので特に楽しいです。草に埋まっていた野菜が太陽の光を得てほっと息をついている姿をみると『ウフフ…』と笑ってしまいました。同じ函南町に、昨年11月から新しい畑を持つことになりました。今度の畑は標高約300bの山の上です。広さは28反(約28000平方b、約8400坪)あり今までの約4倍です。最初の作付けとして来春の開花のためにカレンデュラの鰍約1反分定植しました。この後、キャベツやレタスやホウレンソウや大麦や小麦を急ピッチで定植、種蒔きをしました。面積が広くなった分、ハーブだけでなく皆さんに安全な野菜を提供するためにこれまで以上に土と太陽と月とそして自然と仲良くなっていきたいです。函南で畑を始めたのが5年前で、2011年11月に日本豊受自然農鰍ニいう新しい農業の会社が設立されました。本格的に農業と農産加工品をやることになったのです。日本豊受自然農の代表で人間の本当の生き方を教える由井寅子先生により農業に専念できる環境を整えていただきましたので、函南でやるべきことはハーブ園ではなく農業と心得、頭を切り替えやっています。12月からは農家で酪農家である地元の方にもお手伝いいただくことになりましたので心強いです。新しい大地でまだまだ未知のこともあるかと思いますが、由井寅子先生が理想とされる農地と環境に一日も早く近づけるよう10名のスタッフ一同、力を合わせて頑張っていきます」
と述べている。