ホメオパシーのマテリアメディカについて
これまでホメオパシーをご利用いただいている方々から多くよせられた質問に対して、由井会長がQ&A形式で回答しております。

Q. イギリスのホメオパシー協会の認定をもっているから日本でホメオパスとして活動できると言っている人がいますが?

A. 日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)は2005年にプロフェッショナルホメオパスの職業保険がとれました。これはプロのホメオパスが頑張ってクライアントを治していった結果だと思いますし、ホメオパシーが広まり、日本に根付くためにもこのようなきっちりとした協会の認定が必要です。しかし、海外のホメオパシー協会では、その国だけしかプロのホメオパシー職業保険を適用する事はできません。ですから日本でプロのホメオパスとして活動するならば、ぜひJPHMAの試験を受けられ、それに受かる事で、日本でのプロホメオパスとしての職業保険に加入することができます。プロのホメオパスとしてではなく、セルフケアレベルならば、この保険はなくてもいいのです。しかし、その場合は、ホメオパスとは呼べませんね。JPHMAは海外で勉強された方々のためにも何とか受けられるように、門戸を開いておりますので、プロとしてホメオパスを行いたいのであれば、ぜひJPHMAの認定試験を受けられて頂きたいと思っています。

認定試験を受けて、自分に足りない学びをさらに勉強する機会にもなり、ホメオパスの力量のレベルが 標準化され、スキルが上がる事によってホメオパシーそのものが日本に根付く事となるでしょう。

最近、国は、ホメオパシー療法専門家(ホメオパス)に対する資格制度化を検討開始しており、ホメオパシーなどの世界各国の伝統医学の保険適用や資格制度化の統合医療プロジェクトチームを発足させ、ました。これは、ホメオパシー療法専門家(ホメオパス)に対して資格制度化を国レベルで行うための第一歩が始まることを意味しています。

ホメオパスの資格の認定に関しては、現在、日本ホメオパシー財団日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)がホメオパス認定試験を行い、認定しています。JPHMAは、ICH(ホメオパシー国際評議会)のメンバであり、27カ国の30の協会から構成されている、およそ1万人のプロフェッショナルホメオパスから成り立つ世界最大のホメオパシー団体に加盟しております。

そして、JPHMAは日本で唯一職業保険を持つことができる、国際標準をクリアした団体と言えます。今後のホメオパスの資格の認定レベルの標準化に関しては、国際標準の観点も踏まえて、日本の国家資格としての認定レベルを考慮していく必要があります。

そのようなことから、国際標準のプロフェッショナルホメオパスの認定を目指される方は、まず、日本での職業保険を持つJPHMAの認定試験を受験されることをお勧めします。


Q.「200Cなど高いポーテンシーは精神界で裏返るから与えてはいけない」という人がいますが、200Cは危ないのでしょうか?

A.200Cは、急性症状や精神的な問題やトラウマなどに対処するには、とてもよいポーテンシーです。多くの方が200Cのポーテンシーを使っていますが、これまで、このポーテンシーを使ったから、問題になったという 話は聞いたことがありません。高いポーテンシーというのは、より瞬時に、より深く、バイタルフォースに作用することが知られています。

低いポーテンシー(特に原物質を含むもの)は、臓器の不調や身体疾患など肉体レベルの問題をサポートするには適していますが、心や感情の問題、心身のトラウマ、慢性病には原物質がなくなるまで希釈振盪された高いポーテンシーの方が適しています。

Q.日本のホメオパスの中にも「高いポーテンシーは危ない」と言っている人たちがいますがどうなのでしょう。

A.「高いポーテンシーは危ない」と言われている方は、実際自分では使ってみたことがないのではないかと思います。

私は、φ(マザーチンクチャー)からMM(102000000〔10の200万乗〕倍希釈)まであらゆるポーテンシーを17年間使い続けましたが、高いポーテンシーが危険であるという結論には到りませんでした。体毒が溜まっている方(特に過去に長い間薬剤で抑圧した歴史をもつ方)は、低いポーテンシーでも、高いポーテンシーでも排泄が強く出るのです。体や心から出さなければならないものが多い場合は、いかなるポーテンシーでも出るべきものは出るのです(好転反応)。

しかし、最終的に体毒を出し切るためには、私の経験上、高いポーテンシーを液体フォーム(アルコール溶液が最善)でリピートする必要があると言えます。この高いポーテンシーは危ないという教義が広まった背景には、ホメオパシーの開祖、サミュエル・ハーネマンの書いた『オルガノン』を誤って解釈してしまったということがあります。

この紙面で詳細をお伝えすることはできませんが、当初、ハーネマンはポーテンシーを希釈度とは関係ない、振盪度のことと考えていました。振盪や摩砕によって活性(ダイナミック)化すると考えていたのです。そして最初、原物質をあまり希釈せずにホメオパシー(同種)的に使っていました。したがって、『オルガノン』の中で高ポーテンシーが危険であると言っているのは、希釈されていない原物質を病気に繰り返し同種的に大量に投与すると危険であるが、原物質をより叩いて(高ポーテンシー)活性化させた状態で繰り返し大量に投与するとより一層危険であると言っているのです。

物質を活性化させることで活力がプラスされ、物質的作用力を強めてしまうからです。『オルガノン』は何度も改訂されていますが、このような部分は第一版から書き換わっていません。したがって原物質での話であることが見落とされてしまっているのです。しかし、『オルガノン第六版』をきちんと読めばそれは自ずと理解できることです。

ちなみに、インドのホメオパスの大家であるファタック氏は、40年間ホメオパシー療法をした後で、「さまざまなポーテンシーを試してきたが、10Mというポーテンシーがもっともすばらしかった」と晩年語っています。私も健康相談では、よく10Mというポーテンシーを使います。



Q.同じく、日本のホメオパスの中にも「リピートは危険である」とか言っている人たちがいますがどうなのでしょう。

A. 先ほど言ったように、大量投与、リピートが危険であるとハーネマンが言ったのは、原物質での大量投与や繰り返し投与が危険であると言っているのです。

どうして危険であるかというと病気と類似の症状を作り出すものとして、毒物を使うことが圧倒的に多かったからです。それゆえに大量投与やリピートによる危険を危惧し警告していたのです。したがって大量投与とは文字通り物質量のことを言っているのです。その部分を誤解し、一度にたくさんのレメディーをとると危険であるとか、何度もリピートすると危険であるという神話が作られるようになりました。

そもそもハーネマンは『オルガノン第六版』(最終版)の中で頻繁にリピートする方法を推奨しているのです。

実は、ハーネマンの著作は古典ドイツ語で書かれていたため、英語などに翻訳される段階で、かなりひどい誤訳も多く、ハーネマンの言いたかったことが世界で大きく誤解されてきた歴史があります。

故にロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー(RAH)ではハーネマンのドイツ語原書から訳し直し、教材として使っているのです。現在RAHだけでなく、ドイツを中心に、原点に戻ってハーネマンが言いたかったことを正確に知ろうという動きがあり、 『オルガノン』だけでなくハーネマンの複数の著作や同時期にハーネマンが書き残した多くのの書簡なども含めた総合的な文献研究が世界的にも進んできており、クラシカルホメオパシーの始祖とされるケントの流れをくむホメオパスの皆さんが当たり前だと信じ主張していること、例えば、「レメディーを複数投与することは許されない」とか、「レメディーはリピートしてはならない」とか、「レメディーの高ポーテンシーを使うことは危ない」と言われてきたことは、大きな誤解であったことが最近わかってきています。

事実として、ハーネマンはコンビネーションのレメディーも使っていたし、液体フォームのポーテンシーで何度もリピートするやり方が最も穏やかに作用することなどについても触れていましたし、そして鼻でかぐ方法もやっていたのです。

ケントでなくハーネマンの原点に戻るという、こういった研究はロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシーの研究成果として、これから広く授業やホームページでも情報公開していきたいと思います。


Q.ではある人たちが「合っていないレメディーをとるとプルービングして危険である」と言っているのも同じことですか?

A. はい、全く同じストーリーです。

低い希釈のレメディー(物質があるもの)が、同種的でない場合、その毒のもつ物質的作用によって症状を呈する(プルービング)ことになります。それは薬(物質量)の副作用と同じです。すなわち、プルービングの危険性とは、毒性物質の物質レベルでの身体への作用力のことを言っているのですが、それがいつの間にか高度に希釈振盪されたレメディーをとるとプルービングして危険であるという話になってしまったのです。

しかし、高度に希釈されたレメディーが何の危険もないことは、実際レメディーをとられたことのある人なら誰でも知っていることであり、どうしてこの教義について誰も疑問に思わないのか不思議に思います。

仮に問題があるとすれば、バイタルフォースがとても弱って影響を非常に受けやすい状態になっている場合、レメディーをとることでプルービングしてしまうことがあります。

しかしそれは一過性の症状であり、レメディーをとることをやめれば元に戻るものであるし、まして、高度に希釈されたレメディーをとることで、疾患を作り危険にさらされるなどということはないのです。

少なくとも私の経験上は一度もありません。ちなみに、オルガノンの中でハーネマンはホメオパスがプルービングするべきと言っています。また、プルービングすると元気になるとも言っています。もちろんこれは安全な希釈度のレメディー(物質のない)においての話です。



next→