73歳女性 両側変形性股関節症のケース
(健康産業流通新聞平成20年1月28日掲載記事)

  股関節

【主訴】

股関節の痛み(両側変形性股関節症)。杖をついて歩行右股関節は人口骨


【特徴】

・怒りっぽい
幼少期は母が病弱で自分も結核、戦争中で誰からの助けもなかった。19歳で父を失い、22歳で妹が自殺。家族に愛されなかったとの思いが強い。
・過去に手術を何度も経験(扁桃腺摘出、虫垂切除、胆のう摘出、人工関節置換)

【対処 2004/04/18】

痛みに合うレメディ

  • Thallium 痛み(激しい、耐え難い、刺すような、電気的な、穴があくような神経痛)のほか、脚の多発性硬化症、など。
  • Platina 腰痛、右側(股関節)の痛み、死体の夢、性欲が強い、など。
  • Syphilinum 手術や怪我が多く、人生の苦難。
  【対処】
・Thallium:引き続き激痛への対応
【途中報告 2004/06/03】

4日間ぐらい激しい痛みで大変だったが乗り越えた。

【通信相談 2006/11/18】
右下腹部が硬くなっているのは改善。痛みは和らぎリハビリに行って杖を外す訓練をしてみようと思う。思えば自分の人生は大変だった。

【対処】
痛みが始まり、根本レメディーを出す。
・Arnica
:梅毒マヤズムで体が手術・怪我・戦争などでぼろぼろになっている人に合う。
・Cyclamen
:人生に暗い色を塗り、存在する不幸な部分を付け加える悲しみ。
・Tub
:リウマチや関節炎、股関節脱臼をつくる結核マヤズムに対応。

【通信相談 2006/12/22】
定期健診のレントゲンで、つぶれていた滑液ができて骨と骨の間に隙間が出来ていた。杖がなくても歩行でき、痛みは全くない。
【対処】
引き続き前回と同じレメディーを提供。

【まとめ】

  痛みは心と体の恐怖と関係するが、この恐怖への防衛反応として怒りが生じる。つまり、怒りのあるところ、その根底には認めてもらえない、愛されていないという恐怖と悲しみがある。

  この方は母親と早くに別れ、父親や妹にも死なれ誰からの助けもなく生きてきた。同時に若い時から何回も手術を受けている。心と体が傷つく恐怖と悲しみにまみれ、苦しくてそれを抑圧し怒りで防衛していたのだ。急性の痛みは放置するとやがて適応し痛みを感じなくなるが、後に体は硬直し慢性の関節炎やリウマチになったりする。 抑圧された感情は肝臓に捨てられ、そこのバイタルフォースが滞り、結果、肝臓周囲や股関節に痛みとなって現れた。

 Cyclamenをとった後、子供時代からの辛かった記憶が次々と湧き上がり、今まで強気で偉そうだったのが心に秘めていた悲しみを吐露した。そしてさんざん痛んだ体の細胞レベルのトラウマをとるためにArnicaを出し、その後間接の痛みは改善した。

人生のなかで遭遇したひとつひとつの心身のトラウマを癒し恐怖と悲しみの感情を解放することで痛みが消え、穏やかな人間となった。